いつも通り、窓の外は大雨。今日は6月の半ば。ここ最近ずっと雨が続いて、そろそろうんざりしている。いつも通り体育は中止。数学の先生が早口で黒板いっぱいに文字を書いている。それを私は、汚い字でノートに書き進める。男子のほとんどは先生の話を聞かず、話したり落書きしたり。後から困るのは自分なのに。でも、そんな私も意味があまりわからない。一生懸命意味を分かろうとしても、先生はずっと早口で黒板に文字を書き進める。結局私も諦めて、教科書の空欄に薄いボールペンで落書きをし始める。

(先生の教え方が悪いだけよね)

終いには先生のせいにして、授業に聞く耳を持たずに落書きを進めてしまう。残り5分になると、ノートを閉じてしまう。まだ授業は終わってないのに。でも、残り2分になると、ほとんどの人が片付け始める。次の時間は2、3時間目が学級会。2時間も学活をして何をするのか。結局、くだらないことで揉めあって学級会は終わった。

(クラスのルールを考えても、なんの得にもならないって)

こんなふうに、私はあまり高校生活を楽しんでいない。そもそも楽しくもない。学校が終わると、私は隣のクラスにいる雄太を待つ。

「麗美っ!」

笑顔の雄太がこっちに来る。私にとってここからが1日の始まりだ。雨は止んでいないけど、私たちの心はきっと晴れている。何て幸せなんだろう。でも、大雨なのは変わりない。最近は大雨のせいで雄太と一緒にいれない。

「またね!」

そう言って楽しい時間は幕を閉じた。