「賞状 ほのかにいるうさぎさん☀︎殿 あなたたちは『飼育小屋の宝を探せ!』において目的のものを掘り起こしてタイムカプセル掘り起し部門で優秀な成績を収めましたのでこれを賞します 令和6年3月17日 石川正良 竹田秀信 おめでとう!」
少し沈黙が続いた後、拍手が沸き起こった。私たちは、賞状と2つのメダルを受け取った後、顔を見合わせた。そして、首を傾げ合った。
「あ、そういえば、この箱の中身を教えていませんでしたね。失礼いたしました。それでは、ただいまよりタイムカプセル開封式を始めます。皆さん、こちらに集まってください」
ざわざわした様子でみんなが前に集まった。
「では、オープン!」
開けられた箱の中身に、目からウロコが出るかと思った。
「皆さんご察しかもしれませんが、これは私・石川正良とこちらにいる竹田秀信先生のタイムカプセルなんです。先生たちは小学生の時、ここの小学校、すなわち、あやね小学校に通っていました。一年生の時からとても仲がよかった先生達は、先生の提案で小学校卒業のタイミングでタイムカプセルを埋めたんです。『今から25年後——37歳の時になったら、これを掘り起こそうよ。そのために、教師になってまたこの学校に戻ってくるという夢を叶うまで持ち続けようぜ。』って約束して。しかし、昨年に竹田先生にタイムカプセルを埋めた場所がどこか覚えているかと聞いたら、先生と同じくタイムカプセルの埋めた場所をすっかり忘れてしまったらしいんです。これじゃあ、先生たち二人しかいないのにこの広い広い飼育小屋を全て掘り起こさないといけないのかと思い、今日このイベントを開催したんです。『ほのかにいるうさぎさん☀︎』さん、改めてこのタイムカプセルを掘り起こしていただき、本当にありがとうございます」
「い、いえ、そこまでのほどではありません。こちらこそ、楽しくお手伝いさせていただき、ありがとうございます」
「私からも、お礼申し上げます」
深々と下げられた先生たちを見て、思わずこちら側もお礼を言ってしまった。しんとした空気の中、先生と私たちの言葉が空気に響いた。いい話だと感心したのか、再び拍手が沸き起こった。恥ずかしがり屋のうさみちゃんを見ると、顔を真っ赤に染めていた。
「おっと、もうこんな時間になってしまいましたね。タイムカプセルの中身はこちら側で回収します。掘り起こしたものを持って帰りたい人は、先生か竹田先生のどちらかに申し出ください。では、本日は『飼育小屋の宝を探せ!』に参加していただき、改めてありがとうございました! あやね小の皆さんは、また明後日会いましょう! もしも教室に戻りたいと思っている人がいるのなら、先生か竹田先生に伝えてくださいね。では、さようなら〜」
全員で大きな声で「さようなら〜!」といい、四方八方に帰って行った。私たちは、「謎のブロック」——石川先生と竹田先生のタイムカプセルに目を向けた。
「じゃあ、帰ろっか、うさみちゃん」
「うん、そうだね。先生、さようなら!」
「はい。さようなら、春井さん、鈴木さん」
私たちは虹がかかっている空を眺めながら飼育小屋を後にした。
Fin.
少し沈黙が続いた後、拍手が沸き起こった。私たちは、賞状と2つのメダルを受け取った後、顔を見合わせた。そして、首を傾げ合った。
「あ、そういえば、この箱の中身を教えていませんでしたね。失礼いたしました。それでは、ただいまよりタイムカプセル開封式を始めます。皆さん、こちらに集まってください」
ざわざわした様子でみんなが前に集まった。
「では、オープン!」
開けられた箱の中身に、目からウロコが出るかと思った。
「皆さんご察しかもしれませんが、これは私・石川正良とこちらにいる竹田秀信先生のタイムカプセルなんです。先生たちは小学生の時、ここの小学校、すなわち、あやね小学校に通っていました。一年生の時からとても仲がよかった先生達は、先生の提案で小学校卒業のタイミングでタイムカプセルを埋めたんです。『今から25年後——37歳の時になったら、これを掘り起こそうよ。そのために、教師になってまたこの学校に戻ってくるという夢を叶うまで持ち続けようぜ。』って約束して。しかし、昨年に竹田先生にタイムカプセルを埋めた場所がどこか覚えているかと聞いたら、先生と同じくタイムカプセルの埋めた場所をすっかり忘れてしまったらしいんです。これじゃあ、先生たち二人しかいないのにこの広い広い飼育小屋を全て掘り起こさないといけないのかと思い、今日このイベントを開催したんです。『ほのかにいるうさぎさん☀︎』さん、改めてこのタイムカプセルを掘り起こしていただき、本当にありがとうございます」
「い、いえ、そこまでのほどではありません。こちらこそ、楽しくお手伝いさせていただき、ありがとうございます」
「私からも、お礼申し上げます」
深々と下げられた先生たちを見て、思わずこちら側もお礼を言ってしまった。しんとした空気の中、先生と私たちの言葉が空気に響いた。いい話だと感心したのか、再び拍手が沸き起こった。恥ずかしがり屋のうさみちゃんを見ると、顔を真っ赤に染めていた。
「おっと、もうこんな時間になってしまいましたね。タイムカプセルの中身はこちら側で回収します。掘り起こしたものを持って帰りたい人は、先生か竹田先生のどちらかに申し出ください。では、本日は『飼育小屋の宝を探せ!』に参加していただき、改めてありがとうございました! あやね小の皆さんは、また明後日会いましょう! もしも教室に戻りたいと思っている人がいるのなら、先生か竹田先生に伝えてくださいね。では、さようなら〜」
全員で大きな声で「さようなら〜!」といい、四方八方に帰って行った。私たちは、「謎のブロック」——石川先生と竹田先生のタイムカプセルに目を向けた。
「じゃあ、帰ろっか、うさみちゃん」
「うん、そうだね。先生、さようなら!」
「はい。さようなら、春井さん、鈴木さん」
私たちは虹がかかっている空を眺めながら飼育小屋を後にした。
Fin.
