「なんだ、これ!」
私・春井ほのかは友達のうさみちゃん(本名「鈴木うさみ」)と一緒に飼育当番の仕事をしていた。ここの飼育小屋では3カ月ほど前まではうさぎを飼っていたが、今はもういない。死んでしまった。だから今は、掃除や草抜きをしている。私は凸凹(でこぼこ)になっている土をまっすぐにしようと思い、溜まっていた土をほうきではいていた。そうしたら、見知らぬタイルが出てきたのだ。
「どうしたの、ほのかちゃん」
「うさみちゃん! これ、見て!」
私は、駆けつけてきたうさみちゃんにそのタイルを見せた。
「これ、なんだと思う?」
「う〜ん、タイル、かな?」
「私もそう思うんだけど、なんだか気になるんだ。一緒に掘り起こしてみない?」
「いいね! それ、賛成!」
私は持っていたほうきをうさみちゃんに渡した。そして、シャベルを取ってきた。
「いい? 私はスコップでまわりを掘るからうさみちゃんは掘られた土をどかしてね。」
「うん、分かった!」
「いくよ、せーの!」
こうして超小規模工事「飼育小屋工事」が始まった。