⭐︎
家族と昼食を済ませ、再び三つ子と学校内を歩く。
あるクラスでは、写真映えスポットを題材に様々な障害物が置かれている。俺は三人の写真を思う存分にスマホデータに収める。
紬に「撮りすぎだよ」よ恥ずかしがられるが、俺は気にしない。俺、言ってなかったが結構なブラコンである。生意気って言ったがそれよりも可愛いが勝つのだ。
それに、あいつらも何かと俺に着いてきてそれが庇護欲を湧き立てるのだ。こいつらに恋人が出来たら泣いちゃいそうだ。
「ほら、お兄も撮るよー」
「お兄ちゃん早く来て〜」
三つ子に促され真ん中に入ることに。クラス内のスタッフ係が微笑ましそうに見ている。恥ずかしいけれど、これはこれでいいな。
撮った写真を確認して、教室を離れる。
星簇くんからの連絡は未だない。
午後公演まで後少しか。実を言うと午後公演は、特にと言った役割がないため見学になる。
「そう言えばさ、好きな人との進捗はどうなの?」
「は、はぁ?! 絹、何言ってんだよ」
いきなり素っ頓狂なことを言う弟に思わず反抗する。そもそもこいつらに、恋愛話なんてしたことないんだけれど。
すると、心を読んだかのように絹が平然と口を開き続ける。
「だって、前のデートで俺に「イケてる服って一体何だ?!」って必死に聞いてきたから、デートに着る勝負服かなんかかなって」
「お前そこまで考えてたのかよ……」
「否定しないってことは、そうなんだ。ねぇ、その人はどこに居るの?」
「実は連絡が付かなくて……。七夕祭来るって言ってたんだけれど……」
「は? そんな人好きになって大丈夫なの? 遊ばれてたりしない?」
「してないって! 寧ろその人、あまり仕事と学校を両立しててあまり学校に来てないって言うのもあるんだ」
「仕事と両立ぅ? 今どきそう言う人もいるのか。まさか、社会人じゃないよね?」
「ちげーよ。同い年だわ!」
「でも忙しいって事は、仕事が結構充実してるって事だよね。その人ってどんな仕事してるか知ってるの?」
紬が訝しげに問う。俺は慎重になって言葉を選ぶ。
「う、占い師なんだ……」
「インチキ占い師とかじゃなくて?」
「結構当たるって評判なんだよ。そ、それ以上の質問は受け付けないぞ!」
これ以上言うと面倒臭いことになりそうだからな。三つ子もそこまで言うと、これ以上の追求はなくなった。
「いや、お兄が良いなら良いんだ。恋愛で空振り三振してきた兄の好きな人ってどんな奴らなんだろって気になって」
「う、うるさいな。俺はこれでも真面目なんだぞ」
「分かってるよ。でも私たち心配なの。お兄ちゃんが酷い目に遭ったら私たちが取っちめてやるんだから!」
「絢ぁ……お前ら!」
俺、なんていい奴に恵まれたんだ。
「てか、占いと言えばさっきあそこの教室で占い師が鑑定してくれるって書いてあったよ」
紬が斜め後ろの教室を指差す。看板には「占いの館」と書いてある。どうりで人が並んでるなと思ったら、占いだったのか。
「何でも有名な占い師が来てるんだって。でも、人も混んできたし結構並んじゃうかもよ?」
「ちょっと見てくだけ見てみよう」
俺たちはその教室の前まで向かう。しかし、その扉からとある人物が出てきて俺は驚愕の根を上げた。
「ほ、星簇くん?!」
「ひ、姫路くん」彼は何処か後悔を滲ませた顔をしていた。
俺は今までの感情が爆発してしまった。
「な、なんで連絡してくれなかったんだ! 俺、心配してたんだぞ。今日来ないのかと思ってて、お前こそ約束破ったのかって」
午前公演にも顔を出さなかったんだから、不安にはなるだろ。
「ご、ごめん。じ、実は父さんの手伝いをしてて……」
「本当かー? 怪しいな」
「本当だってば。君って疑り深いな」
「それはお前に似たからな!」
「そっか、僕に似たのか」星簇くんは今度は嬉しそうな反応をした。
そう言えば、星簇くんの父は有名な占い師と聞いたことがある。と言う事は、正体は彼の父親で合ってるようだ。
「へぇ、あなたがお兄ちゃんの言ってた占い師さん?」
今までの会話シーンを見聞きしていた三つ子が現れる。やべ、こいつらがいるの忘れてた。
当然、星簇くんは紬たちのことなど知ってる訳もなく首を傾げた。
「姫路くん、この人たちは……」
「俺たち織の兄弟のものですー」
「おいこら、兄をこれ呼ばわりするな」
絹が堂々と指を指すので、指を掴み退ける。星簇くんは俺たちのやりとりを観察して、「あっ」と声を漏らした。
「君たちが姫路くんの言っていた三つ子ちゃんたち?」
「おう、覚えててくれたんだな」
「姫路くんのことなら覚えているよ」
こいつは恥ずかしげもなく素直に言う。
俺の顔、今赤くなってないよな?
鏡で確認したいが、ここにはないので我慢する。
すると、黙っていた絹が彼の前に立ちはだかる。今までにみた事ない爽やかな笑顔を向けた。
「俺、三男の絹って言います。こっちは、兄の紬と姉の綾です」
「初めまして、僕は星簇彦史郎です。姫路くんとはいつも仲良くして貰ってます」
「ええ、これからも兄を末永くよろしくお願いします!」
「おい、末永くって何だよ! 星簇くんに変なこと言うな」
「お兄ちゃん! こんなイケメン滅多にいないから絶対に逃しちゃ駄目だよ。今世紀最後の恋だって思って!」
今世紀最後の恋って大袈裟すぎだろ。星簇くんも理解不能すぎてポカーンとしてるぞ。
しかし、星簇くんはすぐにイケメンスマイルで三人に返す。
「ありがとうございます。姫路くんのこと大切にしますね」
三つ子がそれぞれ謎の反応を溢した。
「おおお! 兄ちゃんこれは……!」
「お兄にも遂に春が来たかぁ。もうすぐ夏だけれど」
「まぁ、及第点って所じゃないー?」
好き勝手言い始める三つ子に「お前らなー!」とらしくない声を荒げた。俺に追いかけられると思った彼らは、仲良く廊下の方へ走り出した。
「じゃあねー! 兄ちゃーん」
「おう、絶対戻ってくるなよ!」
やっと、お邪魔虫たちが去ってくれた。
「悪いな。五月蝿くしちゃって……」
「別に大丈夫だよ。それに丁度シフトも終わったから、これから教室に行こうと思ってたんだ」
「本当か? じゃあ、一緒に二年二組教室にに行こうぜ」
⭐︎
教室に戻ると委員長たちが、席を作ってケバブを頬張っていた。キッチンカーで買ったものらしい。
彼らは星簇くんの姿を見るなり、
「星簇くーん?」と綺麗に詰め寄る。
「星簇くん、どうして午前公演来なかったんだよー。みんな待ってたんだぞ」
「俺たちとのあの日々を忘れたなんて言わせないわよ!」
後半のやつ何のキャラ設定なんだよ。
星簇くんは苦笑いを浮かべながら、「ごめんごめん」と謝るばかり。俺が割って事の事情を説明してすると、何とか納得してくれた。
「星簇くんのお父さんって占い師だったんだ」
「そう言えば七夕祭のパンフレットに書いてあったっけ。スペシャルゲスト欄に、有名占い師と書いてあってさ。もしかしてそれのこと?」
「うん。だから、準備と受付案内をしてて忙しくなっちゃって。教室に戻れるかなって思ったら、思ったよりも人が来てて……」
「それだけ、星簇くんのお父さんが凄い人ってことでしょ。まぁ、言い訳は聞いたし。ここからはこっちに居てね」
「うん。ありがとう、委員長さん」
星簇くんは綻ばせてお礼を言う。それと同時に、教室の扉が開き、宣伝看板を持ってきたクラスの男子生徒たちが現れる。
「委員長ー、そろそろ宣伝してきてもいいー?」
「いいよー。あ、じゃあ、そこの星簇くんも連れて行ってくれる? お仕事が欲しそうみたいだから」
「え? ちょ、僕は……」
そう焦る星簇くんを他所に、二人の生徒が両脇に付く。星簇くんよりは背丈が小さいが、体格がガッチリしている為、凹凸というアンバランスな絵面になった。
「星簇ー、お客さんジャンジャン呼ぶぞー」
「イケメンパワーがあれば何とかいけるでしょ」
「ちょ、ちょっと待って! 姫路くん!」
連れ去られそうになる所を間一髪逃れる。俺は何だと手招きする彼に近付く。
星簇くんは俺の耳元で、
「午後公演の時間になったら、地下書庫に来て。君、午後は見学で何もないでしょ?」
「……うん。分かった」
俺の胸の高鳴りは徐々に加速して行ったのは言うまでもない。
家族と昼食を済ませ、再び三つ子と学校内を歩く。
あるクラスでは、写真映えスポットを題材に様々な障害物が置かれている。俺は三人の写真を思う存分にスマホデータに収める。
紬に「撮りすぎだよ」よ恥ずかしがられるが、俺は気にしない。俺、言ってなかったが結構なブラコンである。生意気って言ったがそれよりも可愛いが勝つのだ。
それに、あいつらも何かと俺に着いてきてそれが庇護欲を湧き立てるのだ。こいつらに恋人が出来たら泣いちゃいそうだ。
「ほら、お兄も撮るよー」
「お兄ちゃん早く来て〜」
三つ子に促され真ん中に入ることに。クラス内のスタッフ係が微笑ましそうに見ている。恥ずかしいけれど、これはこれでいいな。
撮った写真を確認して、教室を離れる。
星簇くんからの連絡は未だない。
午後公演まで後少しか。実を言うと午後公演は、特にと言った役割がないため見学になる。
「そう言えばさ、好きな人との進捗はどうなの?」
「は、はぁ?! 絹、何言ってんだよ」
いきなり素っ頓狂なことを言う弟に思わず反抗する。そもそもこいつらに、恋愛話なんてしたことないんだけれど。
すると、心を読んだかのように絹が平然と口を開き続ける。
「だって、前のデートで俺に「イケてる服って一体何だ?!」って必死に聞いてきたから、デートに着る勝負服かなんかかなって」
「お前そこまで考えてたのかよ……」
「否定しないってことは、そうなんだ。ねぇ、その人はどこに居るの?」
「実は連絡が付かなくて……。七夕祭来るって言ってたんだけれど……」
「は? そんな人好きになって大丈夫なの? 遊ばれてたりしない?」
「してないって! 寧ろその人、あまり仕事と学校を両立しててあまり学校に来てないって言うのもあるんだ」
「仕事と両立ぅ? 今どきそう言う人もいるのか。まさか、社会人じゃないよね?」
「ちげーよ。同い年だわ!」
「でも忙しいって事は、仕事が結構充実してるって事だよね。その人ってどんな仕事してるか知ってるの?」
紬が訝しげに問う。俺は慎重になって言葉を選ぶ。
「う、占い師なんだ……」
「インチキ占い師とかじゃなくて?」
「結構当たるって評判なんだよ。そ、それ以上の質問は受け付けないぞ!」
これ以上言うと面倒臭いことになりそうだからな。三つ子もそこまで言うと、これ以上の追求はなくなった。
「いや、お兄が良いなら良いんだ。恋愛で空振り三振してきた兄の好きな人ってどんな奴らなんだろって気になって」
「う、うるさいな。俺はこれでも真面目なんだぞ」
「分かってるよ。でも私たち心配なの。お兄ちゃんが酷い目に遭ったら私たちが取っちめてやるんだから!」
「絢ぁ……お前ら!」
俺、なんていい奴に恵まれたんだ。
「てか、占いと言えばさっきあそこの教室で占い師が鑑定してくれるって書いてあったよ」
紬が斜め後ろの教室を指差す。看板には「占いの館」と書いてある。どうりで人が並んでるなと思ったら、占いだったのか。
「何でも有名な占い師が来てるんだって。でも、人も混んできたし結構並んじゃうかもよ?」
「ちょっと見てくだけ見てみよう」
俺たちはその教室の前まで向かう。しかし、その扉からとある人物が出てきて俺は驚愕の根を上げた。
「ほ、星簇くん?!」
「ひ、姫路くん」彼は何処か後悔を滲ませた顔をしていた。
俺は今までの感情が爆発してしまった。
「な、なんで連絡してくれなかったんだ! 俺、心配してたんだぞ。今日来ないのかと思ってて、お前こそ約束破ったのかって」
午前公演にも顔を出さなかったんだから、不安にはなるだろ。
「ご、ごめん。じ、実は父さんの手伝いをしてて……」
「本当かー? 怪しいな」
「本当だってば。君って疑り深いな」
「それはお前に似たからな!」
「そっか、僕に似たのか」星簇くんは今度は嬉しそうな反応をした。
そう言えば、星簇くんの父は有名な占い師と聞いたことがある。と言う事は、正体は彼の父親で合ってるようだ。
「へぇ、あなたがお兄ちゃんの言ってた占い師さん?」
今までの会話シーンを見聞きしていた三つ子が現れる。やべ、こいつらがいるの忘れてた。
当然、星簇くんは紬たちのことなど知ってる訳もなく首を傾げた。
「姫路くん、この人たちは……」
「俺たち織の兄弟のものですー」
「おいこら、兄をこれ呼ばわりするな」
絹が堂々と指を指すので、指を掴み退ける。星簇くんは俺たちのやりとりを観察して、「あっ」と声を漏らした。
「君たちが姫路くんの言っていた三つ子ちゃんたち?」
「おう、覚えててくれたんだな」
「姫路くんのことなら覚えているよ」
こいつは恥ずかしげもなく素直に言う。
俺の顔、今赤くなってないよな?
鏡で確認したいが、ここにはないので我慢する。
すると、黙っていた絹が彼の前に立ちはだかる。今までにみた事ない爽やかな笑顔を向けた。
「俺、三男の絹って言います。こっちは、兄の紬と姉の綾です」
「初めまして、僕は星簇彦史郎です。姫路くんとはいつも仲良くして貰ってます」
「ええ、これからも兄を末永くよろしくお願いします!」
「おい、末永くって何だよ! 星簇くんに変なこと言うな」
「お兄ちゃん! こんなイケメン滅多にいないから絶対に逃しちゃ駄目だよ。今世紀最後の恋だって思って!」
今世紀最後の恋って大袈裟すぎだろ。星簇くんも理解不能すぎてポカーンとしてるぞ。
しかし、星簇くんはすぐにイケメンスマイルで三人に返す。
「ありがとうございます。姫路くんのこと大切にしますね」
三つ子がそれぞれ謎の反応を溢した。
「おおお! 兄ちゃんこれは……!」
「お兄にも遂に春が来たかぁ。もうすぐ夏だけれど」
「まぁ、及第点って所じゃないー?」
好き勝手言い始める三つ子に「お前らなー!」とらしくない声を荒げた。俺に追いかけられると思った彼らは、仲良く廊下の方へ走り出した。
「じゃあねー! 兄ちゃーん」
「おう、絶対戻ってくるなよ!」
やっと、お邪魔虫たちが去ってくれた。
「悪いな。五月蝿くしちゃって……」
「別に大丈夫だよ。それに丁度シフトも終わったから、これから教室に行こうと思ってたんだ」
「本当か? じゃあ、一緒に二年二組教室にに行こうぜ」
⭐︎
教室に戻ると委員長たちが、席を作ってケバブを頬張っていた。キッチンカーで買ったものらしい。
彼らは星簇くんの姿を見るなり、
「星簇くーん?」と綺麗に詰め寄る。
「星簇くん、どうして午前公演来なかったんだよー。みんな待ってたんだぞ」
「俺たちとのあの日々を忘れたなんて言わせないわよ!」
後半のやつ何のキャラ設定なんだよ。
星簇くんは苦笑いを浮かべながら、「ごめんごめん」と謝るばかり。俺が割って事の事情を説明してすると、何とか納得してくれた。
「星簇くんのお父さんって占い師だったんだ」
「そう言えば七夕祭のパンフレットに書いてあったっけ。スペシャルゲスト欄に、有名占い師と書いてあってさ。もしかしてそれのこと?」
「うん。だから、準備と受付案内をしてて忙しくなっちゃって。教室に戻れるかなって思ったら、思ったよりも人が来てて……」
「それだけ、星簇くんのお父さんが凄い人ってことでしょ。まぁ、言い訳は聞いたし。ここからはこっちに居てね」
「うん。ありがとう、委員長さん」
星簇くんは綻ばせてお礼を言う。それと同時に、教室の扉が開き、宣伝看板を持ってきたクラスの男子生徒たちが現れる。
「委員長ー、そろそろ宣伝してきてもいいー?」
「いいよー。あ、じゃあ、そこの星簇くんも連れて行ってくれる? お仕事が欲しそうみたいだから」
「え? ちょ、僕は……」
そう焦る星簇くんを他所に、二人の生徒が両脇に付く。星簇くんよりは背丈が小さいが、体格がガッチリしている為、凹凸というアンバランスな絵面になった。
「星簇ー、お客さんジャンジャン呼ぶぞー」
「イケメンパワーがあれば何とかいけるでしょ」
「ちょ、ちょっと待って! 姫路くん!」
連れ去られそうになる所を間一髪逃れる。俺は何だと手招きする彼に近付く。
星簇くんは俺の耳元で、
「午後公演の時間になったら、地下書庫に来て。君、午後は見学で何もないでしょ?」
「……うん。分かった」
俺の胸の高鳴りは徐々に加速して行ったのは言うまでもない。
