言葉の遺影

 7年前の小学4年生の春。担任の先生が、『この4年2組を一人ぼっちを作らない、みんな仲良く楽しいクラスにしたいです』と、私たちの前で言った。
 でも、4年2組の教室では、先生が掲げた目標とは真逆のことが起こっていた。
 表向きは仲が良いグループでも、裏ではローテーションで誰かがいじめられる。
 自分と仲良くしてくれない子を責め、大きな喧嘩に発展する。
 気が合わない同級生に無理して合わせているうちに、学校を休みがちになる子もいた。
 でも、こういった人間関係のトラブルは、小学4年生のときに限らない。もっと幼い頃から存在していた。
 実際に、『あの子嫌いだから遊ばないで』と友達に言われたこともあったし、無視や仲間外れの現場もたくさん見かけた。
 この経験があったから、私は頭のどこかで『みんな仲良く』するなんて無理だとわかっていたんだろう。
 だから7年前のあの日。額縁の中の【みんな仲良く】が遺影に見えたのかもしれない。