いつか、私という存在を必要としてくれる人が現れるのだろうか。
 これは私の願い。
 少女の部屋は屋根裏にあり、まるで他の人々に見つけられないよう隠されていました。
 屋根裏部屋はお世辞にも綺麗とはいえず部屋の隅には蜘蛛の巣のほかに雨漏りもしていて今にも消えてしまいそうなほどの弱々しいロウソクの小さな灯りしかなく薄暗い部屋には小さな小窓がありその窓から入ってくる月の光が部屋を照らしてくれるのです。
 そして少女の日課は部屋の窓から月を眺めながら毎日少女は手を合わせ願うのでした。
 今日はいつもよりも強く心で願いを込めたいつもとは違う月ように思えて何かが始まる予感がした。
 少女はそう思ったのでした。