でも、ここで「わかってる」などと安っぽくなだめないのが尾崎だ。ただUSBから手を離してそれを見つめ、説明だけを連ねる。
「この前、教頭に『あれどうなってるんだ』って言われたから。……まあ」
俺は何も言わない。でもその沈黙にも動じないで、尾崎は独り言ふうに続けた。
「……何を今さら。誰のせいで中途半端に放置されたと思って。……慰めになるかわかんないけど、一応あたしたちもそう思ったから」
「誰が残り分の作業したんだ」
「あたし」
俺はそこでやっと、自分の「反応」を自覚した。
尾崎は話し続ける。さっきより早口だ。
「大変だった。作業そのものというより、編集のセンスとか、どうしようもないところで何度も引っかかって。だから先に言っておく。上手くできたとは思ってない」
「……そうかよ」
「でもここでケントを除け者にするのは違うと思って持ってきたんだけど、でもまだ無理そうならやっぱり」
「待て」
俺はテーブルに手をついた。思ったより大きな音がして、向こうで尾崎の体が跳ねた。
「……どうしたの」
「それ、限定のURLある? すぐ送れる?」
俺の問いに、尾崎は戸惑った顔をした。
「この前、教頭に『あれどうなってるんだ』って言われたから。……まあ」
俺は何も言わない。でもその沈黙にも動じないで、尾崎は独り言ふうに続けた。
「……何を今さら。誰のせいで中途半端に放置されたと思って。……慰めになるかわかんないけど、一応あたしたちもそう思ったから」
「誰が残り分の作業したんだ」
「あたし」
俺はそこでやっと、自分の「反応」を自覚した。
尾崎は話し続ける。さっきより早口だ。
「大変だった。作業そのものというより、編集のセンスとか、どうしようもないところで何度も引っかかって。だから先に言っておく。上手くできたとは思ってない」
「……そうかよ」
「でもここでケントを除け者にするのは違うと思って持ってきたんだけど、でもまだ無理そうならやっぱり」
「待て」
俺はテーブルに手をついた。思ったより大きな音がして、向こうで尾崎の体が跳ねた。
「……どうしたの」
「それ、限定のURLある? すぐ送れる?」
俺の問いに、尾崎は戸惑った顔をした。

