零時のアラームが止む時

 話すうちにまた、あの気分の悪さを体感する。あの、自分の暴力の全てをぶつけたい衝動と反応する力すら見つからない虚無感がない交ぜになった混沌が腹の底でうごめく感触。気持ち悪いのを吐き出そうにもそこまではせり上がってこなくて、だから分解して消そうと精神の内で足掻くしかできなかった不快さ。
「……やってらんないね」
 尾崎が呟く。俺はそれに続けた。
「あそこまでどうしようもない人間がこの世にいるんだって考えると、なんかその事実自体がもう、どうしようもない」
 だから、なのかもしれない。
「……で結局、手は出さなかった」
 空しい事実を再確認して、また虚無になる。
 教頭室で恨みをぶちまけたのはそういうことの前ぶりのはずだった。傘で殴るのも他の凶器を使うのも物に悪い気がしたけど、だったら素手でやればいいと。
 なのに、何も覚えてもいなかった奴のせいで騒ぎや犯罪を起こすのが、強烈に無意味で割に合わないことだと思ってしまった。
 だから何もしないでこうしてここにいる。
 ……それで?
 じゃあ、俺はこの先どうしたらいい。