零時のアラームが止む時

「そう言われると思って、公式の告知を印刷してきた。これが合成だって言うなら何もできないけど」
 その用紙を確認する。
 教頭は今学期限りで退職。後任は未定。その知らせに続いて「諸事情による」辞任である説明と、告知の唐突さとかかる不安と迷惑を詫びる一文が載っていた。
「なんで、こんな急なんだ。それとも俺が知らないだけで前から動いてたことなのか」
「急だよ。やっと理解して報いを受けただけ。自分が今までしてきたことの」
 そう言う尾崎の声は冷えている。
 対して、俺の中では何かが生ぬるくうごめいていた。
 辞めるだと? 今になって? こっちはこんな状態になってるのに、そのことすら認識してないくせに。
 逃げたつもりか? ここで「終わり」にでもするって言うのか? 何ひとつ解決できてないってのに。
 そうやっててめえだけ勝手に消えて。俺は今日も明日もまだ、自分のせいじゃなくできた弱みと対峙し続けて、どうなるのかわからない一日また一日を繰り返していくのか。
 待て。
 どうなるのかわからないなら、どうにかすればいい。でも何を?
 我慢? 努力? 思考? 行動?