そんなことを言われた。それを俺は拒否した。そうすることを、自分の中の何かが許さなかったのだ。
 学校に行くことと、動画に関わること全部が明らかな苦痛になりだしたのは、この後だ。
 最低限の動画制作完了まで行ける要素は揃っていたのだ。すでにたくさん人も巻き込んでる。だから完成はさせないといけない。
 だから俺は作業を続けた。続けようとした。
 でも、できなかった。何度機材と向き合っても、編集ソフトを開こうとしても、頭に邪魔されて、どうしても手が動かなかった。
 ダメだったか。じゃあ明日また試してみよう。でもまだダメで。また、明日。
 そうして日々が過ぎるうちに、俺は自分に起こりだしたある異変に気付いた。
 コンピューターを使えない。使おうとすると息が浅くなって、喉に詰まったような感覚が生まれて体中が冷えていく気になる。
 放課後になってもスマホを手に取れない。家に帰っても、テレビが付いたリビングに居られない。自分のノートパソコンを開けない。デジカメのファインダーを覗けない。インターフォンの通話ができない。全部、頭を回らなく、離れないと気持ち悪くさせる。