腐りかけのジャガイモみたいに顔を歪ませた教頭が俺を見つけて作業を中断させて、尋問まがいの問いと一方的な不満をぶつけ続けていたことだけが、刻まれたままで。
 そして、奴が俺と無関係な不満をぶつける中、いきなりなぜ動画編集をしてるんだと問い詰められた。
『……文化祭のPR動画なんですけど』
『試験や課題はどうなってるんだ』
 そう言われて作動しなくなった俺の思考に、教頭はねちねちと文句をぶつけ続けた。
『わかってるのか? お前らの出来にうちと私の評価がかかってる。今さら遅い時になってから追い込みをしたって、』
『でも、これも今のうちにしないと間に……』
『は? それはお前がやりたいことをやってるだけだろうが!』
 その後も教頭の怒鳴り散らしは続いた。
 本能的に、俺は場を退こうとした。
『……ちょっと今は……次に委員会で集まった時、そこで、まとめてから』
『何をまとめる必要があるんだ? あ?』
 膨張した混乱で返事ができないでいると、教頭は嫌味ったらしい唸り声を出した。
『制作は中止だ。関係者には全員謝っておけ』
 そう宣言した教頭が消えてから、俺はのろのろと壁際まで行ってしゃがんだ。