〝三月二十三日。今日は、ひまわりの家に行った。

春休みに入ったから、いつもより子供たちに勉強を教える時間がたくさんとれる! 嬉しい。

最初は教えてもらう立場だったのに、今じゃ私が教えてるんだから、自分でも信じられない。

あの時、このフリースクールがあったから私は救われた。

だから今度は、私が悩みを抱えている子供たちの力になりたい。役に立ちたい。

だけどふと思うんだ。ひまわりの家のことを、咲にも教えてあげられていたらって。

当時の私には余裕がなくて、そこまで頭が回らなかったけど、今なら咲の力になれたかもしれないのに……。

あの時こうしていればとか思っても、もう遅いんだよね。

どうしてもっと早く気づけなかったんだろう。過ぎてから後悔しても遅いのに。〟