そっと日記を閉じた俺は、再びベッドに仰向けになった。

なぁ、吉川。お前はなんで、俺にこの日記を送ってきたんだ。俺に、何を託したんだよ。

俺のことを、まわりを見ていて優しくて穏やかな奴だとブチ切れながら咲に言われたけど、吉川も咲と同じように思っていたんだろうか。

だとしたら、大間違いだ。

俺は、大事な日記を託されるに値するような人間じゃない。

そうは言っても、この日記はもう俺の手の中にあるわけだから、このまま何もせずに引き出しにしまっておくことなんてできない。

それが吉川の願いだとしたらなおさら。