長いはずの夏休みが、八月中旬を過ぎるとあっという間に感じてしまう。

小学生の頃からずっとそうで、最初からもっと充実した日々を送っていればよかったのにと後悔しても、次の年の夏休みも結局同じことになる。

だけど今年の夏だけは、例年とは違っていた。一日一日が長く、こんなにも寂しいと感じる夏休みは初めてだ。

他にやることがないから夏休みの課題はほとんど終わっているし、まだ半月も休みが残っているのに、心が弾まない。楽しくない。

今日もベッドに寝転んでボーっとしているだけで、午前中が終わってしまった。咲とはあれから三日間連絡を取っていないけど、このままで本当にいいのだろうか。

俺と咲を引き合わせたのが吉川だというのは、多分間違いない。だとするとやっぱり、なんの意味もなくそんなことをするとは思えない。

起き上がった俺は、三日間開いていなかった日記に手を伸ばした。