死んだ彼女が遺した日記

それから二週間、吉川の日記をもとに大きな図書館や、なんの変哲もない小さな公園、昔ながらの商店街など、咲とふたりで辿り続けた。

そして、咲に会うのは今日で七回目。気づけば、吉川の日記はもう三分の二を超えていた。

今日の待ち合わせ場所は病院の前だ。正面玄関から少し離れた場所に立ち、約束の十六時を過ぎたところで咲がやって来た。

俺は、小さくため息をついた。これまで七回の待ち合わせすべてに、咲は数分の遅刻をしてきた。三十分くらい遅れてくれれば堂々と文句も言えるのだが、今日も三分の遅刻。怒るには微妙な時間だ。

咲が隣に立ったところで、俺は何も言わずに日記を出した。一度ふたりで確認済みだけど、この日の日記はなんとなく、もう一度読んだほうがいい気がした。