風もないのに、大樹に咲くベルの花が一斉に揺らぎ始めました。そして、シャランシャラランと、これまでにこの庭園で聞いたことのない澄んだ鈴の音に似た音色が庭園中に響き渡ります。どうやら、ベルの花がそれぞれ揺れることで鳴り響いているようでした。
このような出来事は私が司祭職について二百年、一度も経験のないことでした。しかし、経験がないからと言って、司祭である私が慌てる訳にはいきません。一度大きく深呼吸をしました。周りのNoelたちの様子を伺うと、ほとんど感情表現をすることのない彼らの間に少々騒めきが起きていました。
この出来事は、Noelたちを大いに動揺させるほどの出来事だったのです。
鈴の音が庭園に鳴り響く中、私は気を引き締めて、大樹を、ベルの花を、そして明滅を繰り返し間も無く開花するであろう蕾を見つめました。
しばらくすると、ベルの花たちはシャランシャラランという鈴の音の余韻だけを残して、揺れるのを止めました。
すると今度は、厳かで堂々たる声が、まるで私の頭の中へ直接流れ込むように響きました。
『爾に告ぐ。我、彼の者らを受容せし。時、来たりしとき、片翼を学ばせよ。時、来たりしとき、片翼を羽ばたかせよ。然らば、大成果たせし時、彼の者ら、新しき道を得たり』
その言葉の後には静寂が訪れ、庭園はいつもの様子を取り戻したかに思われました。
しかし、この静かな庭園で起きた小さな小さな騒動は、これで終わりではありませんでした。
このような出来事は私が司祭職について二百年、一度も経験のないことでした。しかし、経験がないからと言って、司祭である私が慌てる訳にはいきません。一度大きく深呼吸をしました。周りのNoelたちの様子を伺うと、ほとんど感情表現をすることのない彼らの間に少々騒めきが起きていました。
この出来事は、Noelたちを大いに動揺させるほどの出来事だったのです。
鈴の音が庭園に鳴り響く中、私は気を引き締めて、大樹を、ベルの花を、そして明滅を繰り返し間も無く開花するであろう蕾を見つめました。
しばらくすると、ベルの花たちはシャランシャラランという鈴の音の余韻だけを残して、揺れるのを止めました。
すると今度は、厳かで堂々たる声が、まるで私の頭の中へ直接流れ込むように響きました。
『爾に告ぐ。我、彼の者らを受容せし。時、来たりしとき、片翼を学ばせよ。時、来たりしとき、片翼を羽ばたかせよ。然らば、大成果たせし時、彼の者ら、新しき道を得たり』
その言葉の後には静寂が訪れ、庭園はいつもの様子を取り戻したかに思われました。
しかし、この静かな庭園で起きた小さな小さな騒動は、これで終わりではありませんでした。



