真生は四人を見据えると口を開いた。

 「新たな四魔帝を決めようかと思うが、どうだ?」
 「なるほど……それはいい考えだ」
 「ですが、どうやって決めるのでしょう?」

 そうアクスファハンに問われ真生は何か策があるようで笑みを浮かべている。

 「四魔帝と云えば強い存在じゃないと駄目だ。そうなると力比べしかないよな?」
 「確かにそうですう。でも、どうやって見極めるのですの?」
 「それなら闘技大会を開けばいいんじゃねえのか?」

 その意見に真生は笑みを浮かべ頷いた。

 「できそうな場所は、あるのか?」
 「そういえば今はありませんね。以前は闘技場がありました。しかし破壊されて使い物にならないでしょう」
 「すぐには直せそうにないほどなのか?」

 そう真生に問われ四人は無理だと言い首を横に振る。

 「修理は可能でしょうが何年かかるか分かりやせんぜ」
 「そうか……だけど、その決め方が間違いない」
 「闘技場じゃなくては駄目なのかのう?」

 ナシェルの一言で真生は、あることを思い付いた。

 「いや、その必要はない。国内全域を使った命をかけた鬼ごっこってのはどうだ?」

 鬼ごっこと聞きライゼア、ダランカル、ナシェル、アクスファハンは分からず真生に問いかける。
 そのため真生は鬼ごっこの説明をした。

 「普通の鬼ごっこは鬼と云う者が居て、みんなを一人で追いかけるのですね」
 「だが魔王さまのやろうとしてる鬼ごっこは出場者全員を鬼にしてのデスマッチ」
 「ああ、但し一対一のな。そうじゃないと一人に対し大勢の攻撃を受けかねない」

 それを聞いた四人は、なるほどと納得した。

 「それは良いのですが……どうやって一対一にするのでしょうか?」
 「最初に出逢った者同士にしようと思う」
 「それなら納得ですわ。でも出場者と、そうでない者をどうやって見分けるのですう?」

 どうやって見分けるのだろうと思いライゼアは首を傾げる。

 「それがあるか……なんか見分けられるようにできればいいんだけどな」
 「そうですねえ……出場者には何かを身につけさせたらどうでしょう?」
 「そうだな。だが、お互い出場者だと分かるような物じゃないと駄目だ」

 そう言い真生は何かないかと思考を巡らせた。

 「魔道具を作ったらどうですう?」
 「すぐに作れるのか?」
 「出場者を予め把握できれば可能かと思われます」

 それを聞き真生は、これならいけると思い笑みを浮かべる。

 「あとは開催を何時からにするかだな。ハァー……やることが増えた。あとは、どれからやるかだ」
 「デスマッチの方は開催日を伏せた状態で出場者を集めて、あとで日時を知らせる方が良いかと思われます」
 「確かに、その方がいいか。そうなると開催することを書かないとな」

 書くのが面倒だと思い真生は嫌な顔をしていた。

 「マオウ様が書く必要はないと思いますう。誰かが書いて知らせればいいのでは?」
 「それなら助かる。じゃあ、このことは他と並行していく。あとはルウクシェスとスカリグに逢って話をするだけだ。明日と明後日だったよな?」
 「向こうは両者共に魔王さまに逢えるって喜んでたぜ」

 それを聞き真生は、ここまで順調なことを喜んだ。だが、あまりにも順調すぎて後で何か起きないかと心配もしている。
 そしてその後も真生は四人と話し合いをしていたのだった。