場所はドウナーアル城の一階で南西側にある通路だ。
その通路を嫌そうな顔でダランカルは次の魔王の座を狙う者の所へ向かっている。
(あと二人か……今からオルクと逢う。だが、できれば逢いたくねえ)
余程逢いたくないらしい。
そう思いながらオルクの居る部屋に向かい歩みを進める。
どうしてオルクが城に居るのか。それは一応前魔王が生きていた時代、幹部の一人だったので自分の部屋を持っていた。
因みにトールシギも幹部だったため、この城に自室を持っている。
まあ真生が正式に魔王になれば城の中を変えることはできるのだが。それは今後、真生の方針や改革など次第となる。
そうこうしているうちにダランカルは扉の両脇に豚……いや、オークキング……恐らくオルクの銅像なのだろうが置いてある場所まできていた。
(何時の間に、こんなもんつくってやがった。コリャ……魔王になろうってのも本気だな。…………警戒した方がいい。
一番危険なのはトールシギだろうが。只なぁ……普段からオルクは何を考えているか分からねえし)
そう考え警戒しながら扉をノックする。だが声は聞こえてこない。
そのため「ダランカルだ。話がある開けてくれねえか」と言い再び扉をノックした。
それでも声は聞こえてこないし扉が開く様子もない。
(留守なのか? それなら恐らく扉には鍵がかかってるよな)
そう思うも試しに扉を開けてみる。すると鍵がかかってないらしく扉は開いてしまった。
なんで扉に鍵がかかっていないのか不思議に思い気になる。そのため扉を開けて中を覗いてみた。
「……!?」
中ではオルクが腹から血を流し床に倒れている。その隣でトールシギは怯えて顔を青くし腰を抜かしていた。オルクのものなのか手には血が付いている。
「コリャ、どういう事だ!?」
そう問われるもトールシギは放心状態になっているためかダランカルがそこに居ても気づいていないようだ。
(どうなっている? 現場を見る限りじゃ、トールシギがやったようにみえる。だが、それにしては怯えすぎだ。どういう事なんだ?
…………魔王さまに連絡をした方がいいな)
そう思いダランカルは緑色の宝石が中央に設置されているペンダントを懐から取り出した。
これは交信用のペンダントであり真生も持っている。勿論、ライゼアにナシェルもだ。アクスファハンはって? 聞くまでもなく持っていないだろうな。
ペンダントの緑の宝石部分に手で触れると魔力を注いだ。そして「マオ・カリノと交信!!」と言い放つとペンダントが光って魔法陣が回転しながら展開し始める。
交信相手の真生が気づいたらしく姿を映像化しうつし出した。
“ダランカルか?”
「ああ……大変なことになった」
“何があった? 今、どこにいる?”
そう問われダランカルは今の状況と何処に居るのかを伝える。
“……分かった。すぐそこに向かう。ダランカルは、そこを動くな。それと、トールシギを逃がすなよ。一応は容疑者の一人だ”
それを聞きダランカルは「分かった」と言い、そのあと真生との交信を切った。
その後ダランカルは近くに置いてあった魔法の鎖でトールシギを拘束すると、その場に立ったまま真生を待つことにする。
そして拘束されたトールシギは、いまだに心ここにあらずの状態のようで呆然としたままだった。
その通路を嫌そうな顔でダランカルは次の魔王の座を狙う者の所へ向かっている。
(あと二人か……今からオルクと逢う。だが、できれば逢いたくねえ)
余程逢いたくないらしい。
そう思いながらオルクの居る部屋に向かい歩みを進める。
どうしてオルクが城に居るのか。それは一応前魔王が生きていた時代、幹部の一人だったので自分の部屋を持っていた。
因みにトールシギも幹部だったため、この城に自室を持っている。
まあ真生が正式に魔王になれば城の中を変えることはできるのだが。それは今後、真生の方針や改革など次第となる。
そうこうしているうちにダランカルは扉の両脇に豚……いや、オークキング……恐らくオルクの銅像なのだろうが置いてある場所まできていた。
(何時の間に、こんなもんつくってやがった。コリャ……魔王になろうってのも本気だな。…………警戒した方がいい。
一番危険なのはトールシギだろうが。只なぁ……普段からオルクは何を考えているか分からねえし)
そう考え警戒しながら扉をノックする。だが声は聞こえてこない。
そのため「ダランカルだ。話がある開けてくれねえか」と言い再び扉をノックした。
それでも声は聞こえてこないし扉が開く様子もない。
(留守なのか? それなら恐らく扉には鍵がかかってるよな)
そう思うも試しに扉を開けてみる。すると鍵がかかってないらしく扉は開いてしまった。
なんで扉に鍵がかかっていないのか不思議に思い気になる。そのため扉を開けて中を覗いてみた。
「……!?」
中ではオルクが腹から血を流し床に倒れている。その隣でトールシギは怯えて顔を青くし腰を抜かしていた。オルクのものなのか手には血が付いている。
「コリャ、どういう事だ!?」
そう問われるもトールシギは放心状態になっているためかダランカルがそこに居ても気づいていないようだ。
(どうなっている? 現場を見る限りじゃ、トールシギがやったようにみえる。だが、それにしては怯えすぎだ。どういう事なんだ?
…………魔王さまに連絡をした方がいいな)
そう思いダランカルは緑色の宝石が中央に設置されているペンダントを懐から取り出した。
これは交信用のペンダントであり真生も持っている。勿論、ライゼアにナシェルもだ。アクスファハンはって? 聞くまでもなく持っていないだろうな。
ペンダントの緑の宝石部分に手で触れると魔力を注いだ。そして「マオ・カリノと交信!!」と言い放つとペンダントが光って魔法陣が回転しながら展開し始める。
交信相手の真生が気づいたらしく姿を映像化しうつし出した。
“ダランカルか?”
「ああ……大変なことになった」
“何があった? 今、どこにいる?”
そう問われダランカルは今の状況と何処に居るのかを伝える。
“……分かった。すぐそこに向かう。ダランカルは、そこを動くな。それと、トールシギを逃がすなよ。一応は容疑者の一人だ”
それを聞きダランカルは「分かった」と言い、そのあと真生との交信を切った。
その後ダランカルは近くに置いてあった魔法の鎖でトールシギを拘束すると、その場に立ったまま真生を待つことにする。
そして拘束されたトールシギは、いまだに心ここにあらずの状態のようで呆然としたままだった。



