気絶した者たちをどうしたらいいのかとアクスファハンは考えていた。
(こうなったのも自分の責任。それに汚名を挽回しておかねばなりません。これだけの失態を犯したのですから)
そうこうアクスファハンが悩んでいると目覚めたダランカルとナシェルは真生たちの所にくる。
「魔王さま……申し訳ねえ。何もできずに気絶するとは……」
「ウチも申し訳ないのじゃ。何もできなかった。情けないのじゃ」
その声を聞き真生は二人の方を向き安心し笑みを浮かべた。
「二人共に、たいしたことなさそうで良かった。それと、そのことは気にしなくていい」
「ありがたきお言葉。それはそうと……」
そう言いダランカルはアクスファハンを鋭い眼光で睨み付ける。
「ダランカル……もう終わった。アクスファハンには俺の護衛をしてもらうことで話がついたからな」
「なるほど、それならいいですが。アクスファハン! 魔王さまの寝首を掻くなんて考えてねえよな?」
「フンッ、そこまで浅はかではありませんよ」
キッと睨みアクスファハンは、ダランカルに言い返した。
「フッ、どうだかな。オレは前から、お前のことが嫌いだったんだ」
「それは初耳です。まあ、それを聞いたとしても……どうなるってことはありません。そもそも貴方のような低級魔族など眼中にありませんので」
「面白いことを言ってくれるじゃねえか。どっちが上か、ここで決着つけてもいいぞ」
お互い睨み合い今にも喧嘩になりそうである。
「二人共っ! 喧嘩するなら別の所でしろ。こんな所でされたら被害が増える」
いや真生……そこは二人の喧嘩を止める所だと思うのですが。
「そもそも魔王さま、こんなヤツをそばにおくなんて正気の沙汰じゃねえですぜ」
そう言い放ちダランカルはアクスファハンを指さした。
「それは私の台詞。なんでダランカルなどをそばにおいているのでしょうか?」
「いい加減にしてくれよ。俺が誰をそばにおこうと構わないよな。それとも、お前たちは俺のすることに対し不服でもあるのか?」
ムッとし真生はダランカルとアクスファハンを順にみる。
「それは……いえ滅相もない。マオ様のすることに対して不服など断じて思っておりません。申し訳ありません……少し言い過ぎました」
「申し訳ねえ……不服などある訳もねえです。そうだな……オレとしたことが魔王さまは先のことを考えてアクスファハンをそばにと」
真生に言われ二人は反省し申し訳ないと深々頭を下げた。
「もう喧嘩はいいのか? まあ、その方が助かるけどな」
「「……」」
その言葉を聞いたダランカルとアクスファハンは喧嘩を止めるつもりがないのかと思い絶句する。
「あー……まあ、そうですね。喧嘩なんてあとでもできますので……今はマオ様に言われたことを先にしませんと」
そうアクスファハンは言い周囲を見回した。
「もしかして気絶してる者の後始末か?」
「ああ、ダランカル……そういう事だ」
「ええ……一人一人を目覚めさせるのも面倒ですね。一番手っ取り早いのは、ひと思いに息の根を止めて何処かに飛ばす方が早いかと。ですが、それをやるとマオ様の機嫌を損ねかねません」
苦笑しアクスファハンは、どう処理をするか悩み始める。
「そういう事か。それなら、みんなで起こして歩けばいいんじゃねえのか?」
「なるほど……ダランカルの言う通りだ。それなら起きた者にも手伝ってもらおう。まあ、やってもらえるか聞いてからだけどな」
「その手がありました。では早速とりかかりたいかと」
そう言いアクスファハンは気絶している者たちの方へ歩き出した。
「じゃあ、オレも……」
「アタシも皆を起こしてきますう」
「ウチもなのじゃ!」
「そんじゃ! 俺も行くか……」
それを聞いた三人は真生を制止させる。
「魔王さまは、ここに居てくだせえ」
「そうそう……逆に皆が起きないかもしれないし」
「どういう事だ?」
言っていることが分からず真生は怪訝に思った。
「魔王さまは、それだけの存在という事なのじゃ」
「ああ……今回の件で余計に、みんな魔王さまを脅威と思っただろうからな」
「そういう理由か。そうなると余計に誤解を……」
ブンブンと首を横に振り三人は気絶して居る者たちの方へ向かおうとしている真生を再び止める。
「誤解は誤解のままにした方が良いと思いますう」
「ライゼアの言う通りだ。魔王さまの本当の姿を知ったら、また狙われかねねえですので」
「そういう事か……それでもいいと思うが面倒ごとになるのも嫌だし、お前たちの言う通りやめておくよ」
それを聞き三人は、ホッと安心した。
その後ダランカルとライゼアとナシェルは気絶している者たちを起こしに向かう。
その間、真生は退屈そうにライゼア達の様子を窺っていたのだった。
(こうなったのも自分の責任。それに汚名を挽回しておかねばなりません。これだけの失態を犯したのですから)
そうこうアクスファハンが悩んでいると目覚めたダランカルとナシェルは真生たちの所にくる。
「魔王さま……申し訳ねえ。何もできずに気絶するとは……」
「ウチも申し訳ないのじゃ。何もできなかった。情けないのじゃ」
その声を聞き真生は二人の方を向き安心し笑みを浮かべた。
「二人共に、たいしたことなさそうで良かった。それと、そのことは気にしなくていい」
「ありがたきお言葉。それはそうと……」
そう言いダランカルはアクスファハンを鋭い眼光で睨み付ける。
「ダランカル……もう終わった。アクスファハンには俺の護衛をしてもらうことで話がついたからな」
「なるほど、それならいいですが。アクスファハン! 魔王さまの寝首を掻くなんて考えてねえよな?」
「フンッ、そこまで浅はかではありませんよ」
キッと睨みアクスファハンは、ダランカルに言い返した。
「フッ、どうだかな。オレは前から、お前のことが嫌いだったんだ」
「それは初耳です。まあ、それを聞いたとしても……どうなるってことはありません。そもそも貴方のような低級魔族など眼中にありませんので」
「面白いことを言ってくれるじゃねえか。どっちが上か、ここで決着つけてもいいぞ」
お互い睨み合い今にも喧嘩になりそうである。
「二人共っ! 喧嘩するなら別の所でしろ。こんな所でされたら被害が増える」
いや真生……そこは二人の喧嘩を止める所だと思うのですが。
「そもそも魔王さま、こんなヤツをそばにおくなんて正気の沙汰じゃねえですぜ」
そう言い放ちダランカルはアクスファハンを指さした。
「それは私の台詞。なんでダランカルなどをそばにおいているのでしょうか?」
「いい加減にしてくれよ。俺が誰をそばにおこうと構わないよな。それとも、お前たちは俺のすることに対し不服でもあるのか?」
ムッとし真生はダランカルとアクスファハンを順にみる。
「それは……いえ滅相もない。マオ様のすることに対して不服など断じて思っておりません。申し訳ありません……少し言い過ぎました」
「申し訳ねえ……不服などある訳もねえです。そうだな……オレとしたことが魔王さまは先のことを考えてアクスファハンをそばにと」
真生に言われ二人は反省し申し訳ないと深々頭を下げた。
「もう喧嘩はいいのか? まあ、その方が助かるけどな」
「「……」」
その言葉を聞いたダランカルとアクスファハンは喧嘩を止めるつもりがないのかと思い絶句する。
「あー……まあ、そうですね。喧嘩なんてあとでもできますので……今はマオ様に言われたことを先にしませんと」
そうアクスファハンは言い周囲を見回した。
「もしかして気絶してる者の後始末か?」
「ああ、ダランカル……そういう事だ」
「ええ……一人一人を目覚めさせるのも面倒ですね。一番手っ取り早いのは、ひと思いに息の根を止めて何処かに飛ばす方が早いかと。ですが、それをやるとマオ様の機嫌を損ねかねません」
苦笑しアクスファハンは、どう処理をするか悩み始める。
「そういう事か。それなら、みんなで起こして歩けばいいんじゃねえのか?」
「なるほど……ダランカルの言う通りだ。それなら起きた者にも手伝ってもらおう。まあ、やってもらえるか聞いてからだけどな」
「その手がありました。では早速とりかかりたいかと」
そう言いアクスファハンは気絶している者たちの方へ歩き出した。
「じゃあ、オレも……」
「アタシも皆を起こしてきますう」
「ウチもなのじゃ!」
「そんじゃ! 俺も行くか……」
それを聞いた三人は真生を制止させる。
「魔王さまは、ここに居てくだせえ」
「そうそう……逆に皆が起きないかもしれないし」
「どういう事だ?」
言っていることが分からず真生は怪訝に思った。
「魔王さまは、それだけの存在という事なのじゃ」
「ああ……今回の件で余計に、みんな魔王さまを脅威と思っただろうからな」
「そういう理由か。そうなると余計に誤解を……」
ブンブンと首を横に振り三人は気絶して居る者たちの方へ向かおうとしている真生を再び止める。
「誤解は誤解のままにした方が良いと思いますう」
「ライゼアの言う通りだ。魔王さまの本当の姿を知ったら、また狙われかねねえですので」
「そういう事か……それでもいいと思うが面倒ごとになるのも嫌だし、お前たちの言う通りやめておくよ」
それを聞き三人は、ホッと安心した。
その後ダランカルとライゼアとナシェルは気絶している者たちを起こしに向かう。
その間、真生は退屈そうにライゼア達の様子を窺っていたのだった。



