ここは謁見の間。広い室内のメインの出入口から玉座までには濃い紫のジュウタンが敷かれている。
室内の隅には気色の悪い花の咲く観葉植物の生える十もの植木鉢が無作為に置かれていた。
この謁見の間には既に多くの魔族が集まって来ている。人数的に約千人は超えるんじゃないだろうか。そう数えられないほどに集まっているのだ。
ここに集まる者たちは各々色々な感情を抱いていた。
魔王の復活を喜ぶ者。
魔王ではなくても、それに匹敵するならと歓喜する者。
魔王が本物だとしても、その存在を認めたくない者。
自分の私利私欲のために魔王の存在が邪魔だと思う者。
只単に喧嘩をしたい者。
魔王の復活が本当なのか力尽くで確かめたいと思う者。
そのように色々な感情を持ち皆が、ここに集っている。
そのためか周囲は、ガヤガヤとうるさく至るとこから殺気が飛び交っていた。
この様子だと真生とやる以前に、ここに居る者たちだけでバトルが勃発しそうなほどである。
その謁見の間へとダランカルが先頭に真生、ライゼア、ナシェルの順に入ってきた。
まだ真生の姿は透明化のままである。
(みえていないのは分かっている。だが……見る限り相当な人数だ。この城には、これほどまでに魔族がいたのか?)
そうこう思いながら真生はダランカルに言われるまま玉座に腰かけた。
玉座の左にダランカルで右にライゼアとナシェルが立っている。
真生が玉座に座ったことをナシェルは視認しダランカルに伝えた。
周囲の者たちは一瞬だけ黙ったが真生の姿を確認できず、ザワツキ始める。それだけじゃなく罵声まで聞こえてきた。
「お前らあぁぁあああ~黙りやがれえぇぇえええー!! 安心しろ! 魔王さまは間違いなく玉座にすわってる。今は透明化させてるからみえねえだけだ」
「そうですう……姿をみせたまま、この場に入れば地獄絵図になりかねませんもの」
それを聞き真生は分かっていても、ゾッとし身を震わせる。
(ハハハハハ……地獄絵図か。覚悟は決めてたけど、なんか逃げ出したくなってきた(泣き)……)
不安な表情になっている真生に気づきナシェルは小声でライゼアに伝える。
それを聞きライゼアは集し魔族の方を向き見据えた。その目は据わっている。
「ですがマオウ様は寛大な方ですう。いえ、お優しいのですよ。姿を披露する前に、これだけは伝えておきますわ。マオウ様は異世界の者ですの」
そう言い真生に手を向けるとライゼアは目の前に居る魔族たちを見回した。
それを聞いた者たちは一斉に驚き、ザワツキ始める。
ダランカルは、なぜライゼアがこの段階で真生のことを異世界の者だと明かしたのか不思議に思った。
だが何か考えてのことなのかもしれないと思い様子をみることにする。
(待て……いきなり明かして大丈夫なのか? まだ姿もみせてないんだぞ)
更に不安になり真生は胃が痛くなってきた。
「そうマオウ様は何者かにより、この城に召喚されました。その者が誰か分かりません。ですが、その者はマオウ様を操ろうとしているかもしれないのよ」
ムッとしライゼアは怒っている。
「だからマオウ様は、その召喚した者をみつけて懲らしめたいのですう」
一呼吸おき再び話し始めた。
「それだけでなく自分は魔王になるべく召喚された。それならば召喚した者の手を借りず自らの力で魔王として覚醒をするとまで言っておるのですう」
それを聞き魔族たちは色々な感情を抱く者が更に増え始める。
「それなら、なぜ姿を現さないのです? それとも私たちに対し恐れをなしているのか!?」
この声は、あの暗がりの一室に居た者のようだ。
姿を見る限りスタイリッシュな感じでスーツを着こなす紳士風で、どうみても魔族には思えない。
頭にはみえないが小さな角が微かに生えている。
この者はアクスファハン・ガナンド、年齢不詳。見た目だけなら二十代後半ぐらいだろう。
種族はデーモンブルーガストと云い、この世界にしかいない魔種族だ。別名は青の悪魔と云われている。角が青いのが特徴的な悪魔系魔種族だ。
因みにアクスファハンの角は小さいせいか青と黒が混じっているようにみえる。
青で白と黒のメッシュが混じった長い髪を、キチンとリボンで結んでいた。どこぞの貴族のようだ。
瞳は青黒く微かに赤い十字がみえる。
アクスファハンは殺気を放ちながら魔族たちの間を退けと言わんばかりに堂々と通り前に出てきた。
そして真生が居るだろう玉座へと途轍もないほどの威圧を放ち刺さるような鋭い眼光で睨んだ。
それに対しダランカルとライゼアとナシェルは一瞬だけ威圧に押されそうになるもなんとか保っていた。
アクスファハンの後ろに居る魔族たちの一部は、その威圧により気絶している者もいる。
そうなると玉座に居る真生はどうなっているのだろう。なんと真生は立ち上がり怒っている。そしてアクスファハンを睨んでいた。
(ふざけんなよ。俺を試そうってのか、上等だ! それならやってやろうじゃないか。
それに、なぜか知らないが……お前の威圧なんて、たいして効いてないんでな)
室内の隅には気色の悪い花の咲く観葉植物の生える十もの植木鉢が無作為に置かれていた。
この謁見の間には既に多くの魔族が集まって来ている。人数的に約千人は超えるんじゃないだろうか。そう数えられないほどに集まっているのだ。
ここに集まる者たちは各々色々な感情を抱いていた。
魔王の復活を喜ぶ者。
魔王ではなくても、それに匹敵するならと歓喜する者。
魔王が本物だとしても、その存在を認めたくない者。
自分の私利私欲のために魔王の存在が邪魔だと思う者。
只単に喧嘩をしたい者。
魔王の復活が本当なのか力尽くで確かめたいと思う者。
そのように色々な感情を持ち皆が、ここに集っている。
そのためか周囲は、ガヤガヤとうるさく至るとこから殺気が飛び交っていた。
この様子だと真生とやる以前に、ここに居る者たちだけでバトルが勃発しそうなほどである。
その謁見の間へとダランカルが先頭に真生、ライゼア、ナシェルの順に入ってきた。
まだ真生の姿は透明化のままである。
(みえていないのは分かっている。だが……見る限り相当な人数だ。この城には、これほどまでに魔族がいたのか?)
そうこう思いながら真生はダランカルに言われるまま玉座に腰かけた。
玉座の左にダランカルで右にライゼアとナシェルが立っている。
真生が玉座に座ったことをナシェルは視認しダランカルに伝えた。
周囲の者たちは一瞬だけ黙ったが真生の姿を確認できず、ザワツキ始める。それだけじゃなく罵声まで聞こえてきた。
「お前らあぁぁあああ~黙りやがれえぇぇえええー!! 安心しろ! 魔王さまは間違いなく玉座にすわってる。今は透明化させてるからみえねえだけだ」
「そうですう……姿をみせたまま、この場に入れば地獄絵図になりかねませんもの」
それを聞き真生は分かっていても、ゾッとし身を震わせる。
(ハハハハハ……地獄絵図か。覚悟は決めてたけど、なんか逃げ出したくなってきた(泣き)……)
不安な表情になっている真生に気づきナシェルは小声でライゼアに伝える。
それを聞きライゼアは集し魔族の方を向き見据えた。その目は据わっている。
「ですがマオウ様は寛大な方ですう。いえ、お優しいのですよ。姿を披露する前に、これだけは伝えておきますわ。マオウ様は異世界の者ですの」
そう言い真生に手を向けるとライゼアは目の前に居る魔族たちを見回した。
それを聞いた者たちは一斉に驚き、ザワツキ始める。
ダランカルは、なぜライゼアがこの段階で真生のことを異世界の者だと明かしたのか不思議に思った。
だが何か考えてのことなのかもしれないと思い様子をみることにする。
(待て……いきなり明かして大丈夫なのか? まだ姿もみせてないんだぞ)
更に不安になり真生は胃が痛くなってきた。
「そうマオウ様は何者かにより、この城に召喚されました。その者が誰か分かりません。ですが、その者はマオウ様を操ろうとしているかもしれないのよ」
ムッとしライゼアは怒っている。
「だからマオウ様は、その召喚した者をみつけて懲らしめたいのですう」
一呼吸おき再び話し始めた。
「それだけでなく自分は魔王になるべく召喚された。それならば召喚した者の手を借りず自らの力で魔王として覚醒をするとまで言っておるのですう」
それを聞き魔族たちは色々な感情を抱く者が更に増え始める。
「それなら、なぜ姿を現さないのです? それとも私たちに対し恐れをなしているのか!?」
この声は、あの暗がりの一室に居た者のようだ。
姿を見る限りスタイリッシュな感じでスーツを着こなす紳士風で、どうみても魔族には思えない。
頭にはみえないが小さな角が微かに生えている。
この者はアクスファハン・ガナンド、年齢不詳。見た目だけなら二十代後半ぐらいだろう。
種族はデーモンブルーガストと云い、この世界にしかいない魔種族だ。別名は青の悪魔と云われている。角が青いのが特徴的な悪魔系魔種族だ。
因みにアクスファハンの角は小さいせいか青と黒が混じっているようにみえる。
青で白と黒のメッシュが混じった長い髪を、キチンとリボンで結んでいた。どこぞの貴族のようだ。
瞳は青黒く微かに赤い十字がみえる。
アクスファハンは殺気を放ちながら魔族たちの間を退けと言わんばかりに堂々と通り前に出てきた。
そして真生が居るだろう玉座へと途轍もないほどの威圧を放ち刺さるような鋭い眼光で睨んだ。
それに対しダランカルとライゼアとナシェルは一瞬だけ威圧に押されそうになるもなんとか保っていた。
アクスファハンの後ろに居る魔族たちの一部は、その威圧により気絶している者もいる。
そうなると玉座に居る真生はどうなっているのだろう。なんと真生は立ち上がり怒っている。そしてアクスファハンを睨んでいた。
(ふざけんなよ。俺を試そうってのか、上等だ! それならやってやろうじゃないか。
それに、なぜか知らないが……お前の威圧なんて、たいして効いてないんでな)



