あれから三日後の朝になり真生はベッドで寝ていた。
 横にはライゼアが寝ている。
 ベッドの脇の床には、なぜかナシェルが眠っていた。
 気持ちよさそうに三人は寝ている。すると扉を、ノックする音が聞こえてきた。その音は何度も聞こえ徐々に大きくなる。
 ガチャガチャと扉を開けようとする音まで聞こえてきた。
 そう誰も入ってこないように内から鍵がかけられていたのである。
 ノックされる音にも反応せず三人は疲れているのか起きる気配がない。
 急に音がやみ扉が、ガチャッと鍵で解除された。
 合鍵を持っている者のようだ。
 怒っているようで、バンッと扉が思いっきり開けられる。
 部屋に入って来たのはダランカルだ。そう合鍵を持っていたのである。
 因みにライゼアとナシェルも合鍵を持っているのだ。
 寝ているナシェルとライゼアと真生を順にみたあとダランカルは呆れて頭を抱える。

 「そろそろ起きて欲しいんだが……いや起きろおぉぉおおおー!!」

 近くで大声で言われ真生とライゼアとナシェルは驚き飛び起きた。

 「う……耳が痛い。ん? あ、朝か……ダランカル。起こしてくれて、ありがとう」
 「それは構わねえが……早く着替えてくだせえ。色々とやらないとならねえので」
 「ああ……そうだったな」

 そう言いながら真生はベッドから下りる。
 目を覚ましたライゼルもベッドから出て床に立った。

 「眠いですわ。ですが早く着替えなければいけませんですう」

 ネグリジェのままライゼアは真生のことを追いかける。
 それをみたダランカルは頭を抱え深い溜息をついた。

 「ふあぁぁあああ~……待って欲しいのじゃ」

 口に手を添えナシェルは大欠伸をしながら真生とライゼアを追いかける。

 「……」

 その様子をみてダランカルは、これでいいのかと余計に頭が痛くなった。

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 寝ぼけ眼で真生はクローゼットまでくると着替えを探し始める。

 「マオウ様……アタシが探しますう」
 「いいえ、ウチが探すのじゃ」

 その声を聞き真生は振り返った。

 「ついてくるな! 今日ぐらいは自分で選んで着替えたい」
 「いえ……駄目ですう。こないだ選んだ服は似合いませんでしたもの」
 「そうそう、アレはウチがみてもダサ過ぎだったのじゃ」

 そう言い二人は、ジト目で真生をみる。

 「……分かった。じゃあ服を選ぶだけだぞ。着替えは自分でする!」
 「いえ、それもアタシがしますう」
 「ウチも着替えを手伝うのじゃ」

 真生は「駄目だ! 自分で着替える」と言うも二人が粘り着替えを手伝うと一向にひかない。それを繰り返し堂々巡りだ。

 「……もういい! 好きにしてくれ……」

 疲れ果て真生は仕方なく許可した。
 それを聞き二人は真生の服を探し始める。
 その間、真生は着せ替え人形になっていた。

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 ここドウナーアル城内にある一室では三人の魔族が何やら話をしてるようである。
 只、周囲はわざと暗くしているのか何もみえない。そのため、なんとなくしか人の姿がみえないのだ。

 「本当に魔王さまは復活したんか?」
 「オラが、じるわげがねえぞ。だげども……まだ、ぼんどうなのがわがっでねえがらな」
 「そうですね。知らせを受けたあとの、この三日間……今日まで魔王さまの姿を拝見できていません」

 そう言うと二人へ視線を向ける。

 「復活がホントなら儂らの計画が駄目になるぞ」
 「んだなぁ。じゃあ、どうずんだ?」
 「とりあえずは今日、確認のうえで判断しませんか?」

 そう問いかけると二人は頷いた。
 それを聞き丁寧語を話す魔族の男は緑色の酒が入る瓶を手にする。
 そして三つあるグラスに酒を順に注いだ。
 その後三人は酒を飲みながら再び話をしていたのだった。