ライゼアに本を読んでもらい真生は頭の中で内容を整理しながら紙に書き込んでいた。暫くすると疲れたので休憩することにする。
その間ライゼアは飲み物やお菓子をとりに向かう。
そして真生は、ライゼアが戻るのを待ちながら改めて紙に書いたことを黙読している。
(この世界はネルバーラルド。この魔王城がある大陸はアリエナルベアと云う。魔族国家は五ヶ所ある。
その五ヶ所がイチカルゲ、ニダマールベ、サンドンナモウル、ヨンデモイーイス、ゴダルゼアだ。
そんでゴダルゼアが俺の居るここで、この魔王城の名はドウナーアル。
んー魔族国家が五ヶ所か。それも魔王は一人じゃない。……それも、この国が一番底辺。ってことは他の国でも魔王が復活していれば最悪じゃないのか?
それも俺のように異世界から来た者だったら余計にだ。まさか……そんなこと……あり得ないよな?)
ふと嫌なことが脳裏に浮かび上がり、ゾッとして顔を青くした。
(俺の思っていることが分かるなら教えてくれ、どうなんだ?)
そう問いかけると少し間をおき【どうでしょう? 同じことを考えている者がいれば……あり得ます】そう脳裏に浮かび上がる。
(同じこと? 他の魔族国に魔王はいるのか?)
そう問いかけると【現在、全ての国に魔王はいません。ただ復活や自分が魔王になろうと企む者は存在します】そう脳裏に書き込まれた。
(じゃあ、お前は魔王の復活を望んだ。そのため俺を異世界から転移させたってことか?)
【そうなります。国を統括する王がいなければ様になりませんので】と脳裏に書き込まれる。
(なるほど……お前は、この城のどこかに居る存在か?)
そう聞くと脳裏に【そ、それは違います。先程も無の存在と伝えたはずですよ】そう浮かび上がった。
(動揺してないか? まあいい……それなら書き込まれるよりも声を聴かせて欲しいんだが)
そう言われ脳裏に【無理です。私の思念では声を送れませんから】と書き込まれる。
(異世界から転移させるだけの魔力があるのに思念は雑魚ってことか)
【ざ、雑魚。聞き捨てなりません】そう脳裏に浮かび上がった。恐らく怒っているのだろうが文章のためか迫力は全くない。
(怒っているのか? だったら声ぐらい聴かせてくれよ)
少し間をおき【魔王となる存在でなければ殺している所です。私は不機嫌になりましたので機嫌が直るまでアドバイスしません】そう脳裏に書き込まれる。
(あっ……待て悪かった。……返答がない……怒らせたか。でも一つ分かったこと。俺を転移させたヤツが、この城にいるってことだ)
何かを思いつき真生は含み笑いをしていた。
♠❈♠❈♠
ここはドウナーアル城内の何処かにある一室。部屋と云うよりも倉庫のようだ。
この部屋の中は暗く陰気臭い。四隅に魔法ランタンがあり微かに明かりは灯されている。
中央付近には、ボヤーっと微かに水晶が浮かび上がっていた。その近くには何者かがいるようだ。
その者の顔は周囲が暗いためみえない。
「……――クックッ……ハハハハハ……いいわ! いいわよ。こうでなくては困ります。魔王となる者が馬鹿では困りますもの」
声は女性のようだ。それも声優のような透き通った綺麗なボイス。これで魔族であるなら、どんな容姿なのか想像が全くつかない。
「まだ私は表舞台に出るつもりなんてない。そもそも裏方なんて御免だわ。あのマオ様が真の魔王に覚醒してからよ」
そう言い高笑いをしていた。
その間ライゼアは飲み物やお菓子をとりに向かう。
そして真生は、ライゼアが戻るのを待ちながら改めて紙に書いたことを黙読している。
(この世界はネルバーラルド。この魔王城がある大陸はアリエナルベアと云う。魔族国家は五ヶ所ある。
その五ヶ所がイチカルゲ、ニダマールベ、サンドンナモウル、ヨンデモイーイス、ゴダルゼアだ。
そんでゴダルゼアが俺の居るここで、この魔王城の名はドウナーアル。
んー魔族国家が五ヶ所か。それも魔王は一人じゃない。……それも、この国が一番底辺。ってことは他の国でも魔王が復活していれば最悪じゃないのか?
それも俺のように異世界から来た者だったら余計にだ。まさか……そんなこと……あり得ないよな?)
ふと嫌なことが脳裏に浮かび上がり、ゾッとして顔を青くした。
(俺の思っていることが分かるなら教えてくれ、どうなんだ?)
そう問いかけると少し間をおき【どうでしょう? 同じことを考えている者がいれば……あり得ます】そう脳裏に浮かび上がる。
(同じこと? 他の魔族国に魔王はいるのか?)
そう問いかけると【現在、全ての国に魔王はいません。ただ復活や自分が魔王になろうと企む者は存在します】そう脳裏に書き込まれた。
(じゃあ、お前は魔王の復活を望んだ。そのため俺を異世界から転移させたってことか?)
【そうなります。国を統括する王がいなければ様になりませんので】と脳裏に書き込まれる。
(なるほど……お前は、この城のどこかに居る存在か?)
そう聞くと脳裏に【そ、それは違います。先程も無の存在と伝えたはずですよ】そう浮かび上がった。
(動揺してないか? まあいい……それなら書き込まれるよりも声を聴かせて欲しいんだが)
そう言われ脳裏に【無理です。私の思念では声を送れませんから】と書き込まれる。
(異世界から転移させるだけの魔力があるのに思念は雑魚ってことか)
【ざ、雑魚。聞き捨てなりません】そう脳裏に浮かび上がった。恐らく怒っているのだろうが文章のためか迫力は全くない。
(怒っているのか? だったら声ぐらい聴かせてくれよ)
少し間をおき【魔王となる存在でなければ殺している所です。私は不機嫌になりましたので機嫌が直るまでアドバイスしません】そう脳裏に書き込まれる。
(あっ……待て悪かった。……返答がない……怒らせたか。でも一つ分かったこと。俺を転移させたヤツが、この城にいるってことだ)
何かを思いつき真生は含み笑いをしていた。
♠❈♠❈♠
ここはドウナーアル城内の何処かにある一室。部屋と云うよりも倉庫のようだ。
この部屋の中は暗く陰気臭い。四隅に魔法ランタンがあり微かに明かりは灯されている。
中央付近には、ボヤーっと微かに水晶が浮かび上がっていた。その近くには何者かがいるようだ。
その者の顔は周囲が暗いためみえない。
「……――クックッ……ハハハハハ……いいわ! いいわよ。こうでなくては困ります。魔王となる者が馬鹿では困りますもの」
声は女性のようだ。それも声優のような透き通った綺麗なボイス。これで魔族であるなら、どんな容姿なのか想像が全くつかない。
「まだ私は表舞台に出るつもりなんてない。そもそも裏方なんて御免だわ。あのマオ様が真の魔王に覚醒してからよ」
そう言い高笑いをしていた。



