「手術は成功だよ」
手術室から出て……僕が抱いているチョロを見て、なおちゃんはホッとしたようで。また、ポロポロと涙を落とした。
「先生……ありがとう。チョロを助けてくれて」
「だけど。まだ、安心はできないよ。チョロはしばらくは動いてはいけない……静かに過ごさないといけないし、その後、リハビリといってチョロが歩けるようになるまで練習をしてあげなければいけないんだ」
すると、なおちゃんは泣き止んで。桃色の頬をした顔を僕に向けた。
「うん! 私、チョロが元通りに歩けるようになるのなら……リハビリ、頑張る!」
「そっか……」
僕はにっこりと笑って、なおちゃんとそのお母さんに手術後の流れの説明を始めた。
サンタは……今の僕を、見てくれているだろうか?
僕達がサンタに与えた苦痛を……その上の死を、許してくれているだろうか?
僕には分からない。だけれども、僕が獣医として働く限り……生きている限り。決して、一時もサンタのことを忘れることはないだろう。
動物病院の前。なおちゃんをお見送りした青空に浮かぶ雲が、まるで天真爛漫に尻尾を振ってくれたサンタのように柔らかく、輝いていた。
手術室から出て……僕が抱いているチョロを見て、なおちゃんはホッとしたようで。また、ポロポロと涙を落とした。
「先生……ありがとう。チョロを助けてくれて」
「だけど。まだ、安心はできないよ。チョロはしばらくは動いてはいけない……静かに過ごさないといけないし、その後、リハビリといってチョロが歩けるようになるまで練習をしてあげなければいけないんだ」
すると、なおちゃんは泣き止んで。桃色の頬をした顔を僕に向けた。
「うん! 私、チョロが元通りに歩けるようになるのなら……リハビリ、頑張る!」
「そっか……」
僕はにっこりと笑って、なおちゃんとそのお母さんに手術後の流れの説明を始めた。
サンタは……今の僕を、見てくれているだろうか?
僕達がサンタに与えた苦痛を……その上の死を、許してくれているだろうか?
僕には分からない。だけれども、僕が獣医として働く限り……生きている限り。決して、一時もサンタのことを忘れることはないだろう。
動物病院の前。なおちゃんをお見送りした青空に浮かぶ雲が、まるで天真爛漫に尻尾を振ってくれたサンタのように柔らかく、輝いていた。


