「明日香ー!浮き輪膨らませよー!」



花音が貸し出し用の浮き輪を二つ持ってきてくれた。



「汐江くんたちは?」


「朝陽と爽也が働いてるのはあそこ!ちょっと遊んだらお昼ご飯食べに行きがてら見に行こ!」


「そうだね」



花音と二人で海に入る。


夏の日差しが照りつける中、水の中はひんやりとしていて気持ちよく、ぼーと浮き輪で浮いていたらうっかり流されてしまいそうだ。



「後で爽也たち誘ってビーチバレーしよ!中学の時も三人で来たんだけど、奇数だったからできなかったんだよー」


「そうなんだ。…花音たちって、いつからの付き合いなの?幼なじみなんだよね?」


「私と爽也は幼稚園から一緒で、小学生になって朝陽が加わってきた感じかな。明日香は桐生くんと生まれた時から一緒?」


「うん。家族ぐるみで仲がよかったから」