この世界ではもう、同じ失敗を繰り返したくない。


玲音を救ってあげたい。



玲音は「ありがとう」と優しく笑った。


この笑顔を、なくさないためにも。





「もうあっという間に夏休みが来るねー。ねえ、明日香!いっぱい遊びに行こう!」


「うん、そうだね。海とかも行きたいな。玲音とも小さい頃はよく行ってたよね?」


「ん?ああ、そうだな」



心配していたけど、この世界の玲音はちゃんと毎日学校に来ていた。


なんとなく一緒に行くことも定着してきて、毎日家を出ると必ず玲音が待ってくれている。



「なに、海行くの?それなら爽也と海の家のバイトするから、遊びにおいでよ」