「んー今はちょっとひどい状態だけど、施設の人達も優しかったししばらくしたら落ち着くと思う。俺がもうちょっと支えてあげられたらよかったんだけどな」



玲音が悲しそうな横顔で飾られていた叔母さんの写真を眺めていた。



叔母さんが亡くなったのは、私たちが中一の時だった。


飲酒運転をしていた人の車に、買い物帰りだった叔母さんが轢かれ即死だったそうだ。


本当に急な出来事で、お葬式でお母さんが泣いている隣で私はまだ実感が湧かずに呆然と立ち尽くすことしかできなかった。



玲音の家にも何度か遊びにきたことがあって、その度に叔母さんは実の娘のように私を可愛がってくれて優しくしてくれた。



「親父はまだ母さんが死んだことを理解しきれていないんだと思う。本当に好きだったから、急にいなくなってどうしたらいいかわからないんだろうな」



ぽつりぽつりと小さな声で言葉を漏らす玲音の頭に、気づいたら手を伸ばしていた。



「…玲音も、辛かったよね」