夜が明けたら君に幸せを。

「誰もお前の顔なんて二度と見たくないんだよ」


「きーえーろ、きーえーろ」



もう、何も聞こえなかった。


なんでみんな簡単に咲那を信じるの?


なんで誰も、私に“本当なの?”と聞いてくれないの?信じて、くれないの…?



この時、私は初めて知った。人は、簡単に人を裏切ることができるのだと。


私を信じてくれる人なんてこの世界には誰もいないことを。






「うう…っ、ぐす…っ」



話し終えると、隣でいつの間にか涙と鼻水でぐちゃぐちゃになっていた柏木さんに思わずぎょっとする。