夜が明けたら君に幸せを。

「咲那!?」


「私今見てた!如月さんが咲那のこと叩いてた!」



窓側で騒いでいた女子たちが再び咲那を守るようにぞろぞろと戻ってくる。



「明日香が…逆ギレしてきて…。選ばれなかった私が悪いって…。明日香のこと、信じてたのに…うう…っ」



ペラペラと次から次へと出てくる嘘や、涙に、私は立ち尽くしていることしかできなかった。


これは…誰?私の知っている咲那なんかじゃない。



「どうしたの?」



登校してきた大倉くんに、咲那が素早く抱きついていった。



「明日香が…私の上履きをこんなボロボロにして…。前から裏で嫌がらせされてきてたの…。でも私、怖くて逆らえなくて…」



大倉くんに見せているボロボロになった上履きも、もちろん咲那の自作自演。