夜が明けたら君に幸せを。

グイッと胸ぐらを掴まれるが、怖くもなんともない。


怒りで頬を真っ赤に染めている目の前の女子を、ただただ憐れだなあという目で見つめる。



「なんだよその目。おまえ本当にむかつくんだよ!」



怒り任せに頬を叩かれ、咄嗟のことに反応が遅れてしまいその場に倒れ込む。


チャイムの音が鳴り響き、三人は律儀にバケツを投げ返してきて、ぞろぞろとトイレから出て行った。



手を上げるなんて、本当に頭がおかしいんじゃないか。


呆れる。



この時までは、そう強気でいられた。





放課後。


どこに行くかとか今日の部活がとか盛り上がるクラスメイト達を一瞥し、鞄を持ちさっさと教室を出る。