夜が明けたら君に幸せを。

「え?」


「あ、大倉くん、咲那のこと送ってあげて?ほら、もう遅いし暗いと危ないから」


「え、でも如月さんは…」


「あー私は大丈夫大丈夫。じゃ、お願いね。咲那もまた明日ー」



二人に手を振って来たばかりの道を走って戻る。


この流れだったら三人で帰るところだったけど、それなら二人きりにさせてあげた方が咲那のためになるだろう。



咲那のことだから告白まではいかないかもしれないけど、二人きりで帰るのはかなりでかいし、少しくらい進展があるかもしれない。



「うまくいくといいな…」



誰もいない廊下でそうぽつりと漏らした。


だけど、この時の私はまだ知らない。この選択が私の人生を大きく変えてしまうことを。