夜が明けたら君に幸せを。

ソーダ味のアイスを片手ににこっと笑った柏木さんに、こくりと頷く。



「如月さんはさ、私にこうやって話しかけられるの、嫌?」


「え?」


「人と関わらないようにしてるよね?それわかってるんだけどさ、ついつい話しかけちゃうっていうか…私はもっと如月さんと話してみたいんだ。話しかけたら返してくれるのをいいことに、たくさん話しかけちゃってるんだけどやっぱり嫌かなって」



柏木さんはただ話しかけてくるだけじゃなくて、そんなことまで考えてくれていたんだ…。



「…どうして、そこまで私に関わってくれるの?柏木さんの言う通り、私はなるべく人と関わりたくなくて、柏木さんに返事はしているけど、いつも素っ気ないでしょ?なのに、どうして嫌にならないの…?」


「…私ね、中学の頃友達らしい友達はいたんだけど、どれも上辺だけの関係だったんだ。仲良いと思っていたのは私だけで、裏で私の悪口を言ってるの聞いちゃって。そこから人が信じられなくなっちゃったの。爽也と朝陽だけが私の隣にいてくれたけど、その二人のことさえも信じられない時があった。高校ではそんな自分を変えたくて、最初に話しかけたのが如月さん。そりゃ拒絶されてちょっとはぐさって来たけど、この子はちゃんと表に出してくれた、真正面から言葉で伝えてくれる如月さんとなら、上辺だけの関係にならないかも、ってそう思ったんだ」



辛い過去から柏木さんは一人で立ち直って、次は頑張ろうと歩き出したんだ。