夜が明けたら君に幸せを。

汐江くんは肩の蜘蛛に気づくと、素手でなんでもなさそうに窓の外に逃していた。



「ふ、あはは!如月さん、今までで聞いたことない声出してた!」


「虫、苦手なんだね」



柏木さんと櫻井くん、汐江くんまで笑っていて頬が熱くなる。


は、恥ずかしい…。



いくら虫が苦手だからって、なんて声を出してしまったんだろう…。



「ごめーんみんな!これアイス…って、なんでそんなに笑ってるの?」





先生からもらったアイスを手に隅っこで座ってぼーとしていると、いきなり首に冷たいものを当てられひやりとした。



「如月さん、隣いい?」