「ちょ、二人とも大丈夫!?」


「怪我はない?」


「大丈夫か、明日香?」



三人が心配そうに覗き込んできて、まだ鳴り止まない心臓をなんとか落ち着けながらこくんと頷く。



「…汐江くんも、ありが…」



お礼を言おうと汐江くんを見上げると、汐江くんの肩にちょこんと蜘蛛が乗っかっていた。しかも、かなり大きめの。



「ぎ、ぎゃあああああ!?」



思わず悲鳴を上げ後ずさる。


…私は虫が、この世で一番嫌いなのだ。



「ん?なに?…あ、蜘蛛?」