前を歩いていた三人に聞こえないくらいの声で心配そうに囁いてきた玲音に、少し迷ってから首を横に振る。



「大丈夫」



玲音に私の分まで任せるのは申し訳ない。その思いで空き教室までついていく。



「うえーこの棚きったな!」


「男子で棚の物とか出すから、如月さんと花音は雑巾で中拭いてくれるかな?」



櫻井くんに渡された雑巾で柏木さんと手分けして物がなくなったところを拭いていく。



「ねえ、如月さん」



黙々と片っ端から棚を拭いていると、近くにいた柏木さんがすすっと横にずれてきた。



「ずっと気になってたんだけどさ、如月さんって桐生くんと付き合ってるの?」