「如月さん!?」



両耳を塞いでうずくまるが、聞きたくない言葉はずっと頭の中で再生される。


もう嫌だ。


なんであの時、死ねなかったんだろう。



「…明日香!」



耳を塞いでいた腕を力強く引っ張られ、そのまま誰かに抱きしめられた。



「明日香、大丈夫だ。大丈夫だから」



この声は、玲音だ。


聞き慣れた唯一信じている人の声に、心が少しだけ落ち着く。



「帰ろう、明日香」