さすがの柏木さんだって嫌な気持ちになるだろう。


ただの勝手な自己満足に巻き込まれたんだから、怒るかもしれない。



だけどそれでも私はいい。一人を望む私にとってはそっちの方が都合がいい。



「…理由なんて、別にどうでもよくないかな？」


「…え？」


「如月さんの過去に何があったのか私は知らないけど、私と昔の如月さんを重ねたって別にいいじゃん。それで助けてくれたんなら、重ねてくれてよかったよ私は。つまりさー結果的には、如月さんは私を助けてくれた。如月さんは私のヒーローだよ」



思ってもなかったことを言われ、優しく微笑む柏木さんをぽかーんと間抜けな顔で見つめてしまう。


どう…して。


どうして、いいよなんて言えるの…？



「わた、しは…」