夜が明けたら君に幸せを。

…いや、抱きついてきた。



「あっさーひくんっ!」


「びっ…くりした」



汐江くんの腕にぎゅーとしがみついているツインテールの女の子が、私にチラリと視線を向けてきた。


まるで、“汐江くんは私のもの”と牽制をしているかのように。



「ねえ、(もえ)とお昼食べにいこー!」


「うん、いいよ」



ツインテールの女の子に抱きつかれ乱れた髪を、汐江くんがかきあげた時にきらりと何かが耳元で光ったのが見えた。


…うわ、この人、ピアス開けてる。



校則的にピアスを開けても別にいいことにはなっているが、個人的にピアスを開けている人にあまりいい印象はない。