夜が明けたら君に幸せを。

お昼前に終わったため「どこかに食べに行こう」などと誘い合っているクラスメイト達を一瞥し、教室を出る。



職員室に用があるという玲音に靴箱で待っているように念を押され、特に帰る人もいなかったため仕方なく靴箱で待つことにする。



「あ、いたいた。あす…じゃなかった、如月さん」



名前を呼ばれ反射的に顔を上げてから、後悔をする。


目の前へ笑顔で駆け寄ってきた彼、汐江くんに、「げっ」とあからさまに顔をしかめる。



「あはは、そんなあからさまに嫌な顔しなくても、なんもしないって。ただ、連絡先交換したいなーって」


「…はあ?」



この人、どういう神経をしているの?


普通、あんなに感じ悪かった女子に連絡先を聞く?


汐江くんの考えていることが全くもって理解ができなくて頭の中をはてなが埋め尽くしていると、汐江くんに向かって誰かがどーんっ!とぶつかってきた。