夜が明けたら君に幸せを。

こんなこと、A組の担任はやらなかった。


面倒くさいことこの上ないし、それにみんなはまだ私の性格を知らないから……。



「ねえ、私、柏木花音(かしわぎかのん)!たしか名前、如月明日香ちゃん…だよね!?ねえどこ中から来たの?私はねー」



…ほら、こうやって話しかけられるんだ。


前の席に座っていた外はねボブの美人な女の子が、笑顔で話しかけてくるのをふいっと顔を背け無視をする。


最悪だ。私に話しかけないでくれ。



「ねえねえ?明日香ちゃーん?眠いのー?」



馴れ馴れしく名前で呼ばないでほしい。


仲良くもなんともないんだから。



「あす…」