聞き間違いだろうか。


記憶の中の玲音と、目の前にいる玲音の言っていることが、重ならなかった。



「だから、クラス同じだったな、って」


「はあ?そんなわけないでしょ」



私がA組で、玲音はF組だったはず。


真反対だったこのクラス分けはよく印象に残っている。


一緒なわけがないんだ。



「おまえ、クラス表見たんじゃなかったのかよ?ほら、見ろよあそこ。俺の名前の前。おまえの名前入ってんだろ。如月(きさらぎ)明日香」


「…な、んで」



玲音が言う通り、F組の名簿には紛れもなく私の名前が書いてあった。