桐生玲音(きりゅうれおん)。同い年の私のいとこ。



生まれた時から隣には常に玲音がいて、幼稚園から高校までずっと同じ。


私の過去も全て知っているから、人間不信な私でも玲音だけは唯一関わっていた。


玲音はいつだって隣にいてくれるから、私が心から信じられる貴重な人。



…だけど、高一の七月くらいからそんな玲音とも関わらなくなっていた。


クラスは離れていたけど何かと心配して教室まで来てくれたり、頻繁に連絡をくれたりしていた玲音。


だけどそれが途絶えたのは、玲音のお父さんが原因だ。


玲音のお父さんは事故で奥さんを亡くしてから精神が不安定になり、それを玲音はずっと支えてきていた。


だけど次第に容体が重くなり、高一の七月中旬の頃には施設に入らないとダメなほど悪くなってしまった。


その手続きや気持ちの整理のためか、玲音はぱったりと学校に来なくなったのだ。