ふと、誰かに名前を呼ばれた気がして後ろを振り向くけど、いるのはまだ手を振っている旭だけ。



「朝陽…」



ぽつりと無意識に漏れた独り言は、一体誰に向けて言ったものだったのか。



夜があるから朝が来る。明日が来る。


明けない夜は決してない。


暗闇だと思い込んでいたこの世界で、気づいていなかっただけでずっと小さな光が私を照らしてくれていたように。


それはこの先ずっと、明日が続いていく限り変わらない。


君がいるこの世界で、明日も生きていこう。


君がくれた光が明日が、私を強くしてくれるから。


今度こそ、私の気持ちを君にちゃんと伝えて一緒に明日を歩いていけたらいいな。



空で優しく光っていた月がより一層輝いたようなそんな気がした…。