「だ、誰!?」



すっと覗いてきた人物が後ろに下がってくれたことにより、街頭に照らされてその顔があらわになる。


モデルかと疑うほど綺麗な顔立ちに、茶色がかったふわっとした髪の毛が夜風に攫われて揺れていた。


その拍子に耳元で何かが…ピアスが、街灯を反射してきらりと光った。


第一印象は、“チャラい男の子”。私の苦手なタイプだと、そう思った。


それなのに、ニコッと優しく微笑んでいる彼に心を奪われたかのように思わず見惚れてしまいなぜか目が離せなかった。



「人影みたいなのが見えたから、もしかして幽霊?って思って覗いてみたら、中にいたのはこんなに可愛い女の子だったなんてね」



思った通り、チャラくていかにも女慣れしてそうな言葉に「げ」と顔をしかめる。


こういう人とは関わらないのが一番だ。


風になびく長い髪の毛をおさえながら外に出て、無言で男の子の横を通り過ぎようとするとなぜか腕を掴んで引き止められた。



「明るいところで見たらやっぱり可愛い…。俺、君に一目惚れしちゃったかも」