まさかその修学旅行に行く途中で事故に遭ってしまうなんて、思いもしなかった。


それは本当に一瞬のことで、もうすぐ死んでしまうんだという意識の中で思い浮かんだのは明日香の笑顔だった。



…そうだ、明日香との約束。まだ守れていない。


俺が明日香を助けに行くって約束したのに。


明日香は今、苦しんでいないだろうか。一人じゃないだろうか。



明日香…。





目が覚めると、なぜか夜の学校の廊下に仰向けで倒れていた。



「ん!?」



慌てて起き上がると、なぜか自分の体が透けていることに気づく。