申し訳なさそうに頭を下げてきた玲音に、泣きながら必死に首を横に振る。



「違うよ…私だって一緒。苦しんでいた玲音のそばにいてあげればよかった。私は、玲音が大変な時に気づいてあげられなかったんだから…っ」



あの世界の玲音はよく笑っていた。


もっと早く玲音の異変に気づくべきだったんだ。


こんなに苦しいのは世界中で私だけだとずっと勘違いをしていた。


こんなにも近くに同じように苦しんでいた人がいたというのに。私は知ろうともしなかった。



「明日香…!」



ぼさぼさな姿でお母さんが病室に慌てたように駆け込んできた。



「お母さん…?」