「じゃあ私が一緒にいてあげる」


「え…?」


「君がおうちに帰りたくなるまで、ここに一緒にいる。あ、私の名前は明日香。如月明日香」


「俺は…汐江朝陽」



それが、朝陽との出会いだった。



「へぇー朝陽は一人っ子なんだ。うちとおんなじだね。私も共働きってやつだから、いつも家で一人なんだ」


「そうなんだ…。なんか似てるね、俺たち…」



朝陽が少し嬉しそうに、照れくさそうに笑った。



「そうだね。一人は寂しいけど、でもこの生活が嫌だって思ったことは一度もないよ」


「え?なんで…?」