「忘れ物はない?あ、これお弁当ね。容器は捨てられるようになってるから。料理とか久しぶりでほとんど冷凍なんだけど…」


「ううん、全然いいよ。ありがとう」



玄関でお母さんが渡してくれたお弁当を鞄の中に入れる。



「じゃあ…いってきます」


「うん、いってらっしゃい」



優しく微笑んだお母さんに手を振って家を出る。


家の前ではいつも通り玲音が待ってくれていた。



「珍しいな、おばさんが見送ってくれたの」


「うん。これからちょっとずつお母さんと変わっていくって決めたの」


「そっか」