とにかく、夜の学校は難なくと入ることができて、まるで何かに誘われているかのように足が勝手に上へ上へと階段を登っていく。



窓からは神々しい月の光が暗い道を照らしてくれている。


こっちだよ、とまるで道標をしてくれているかのように。



自然と歩くペースも速くなり、上へとずっと視線を向けていたから、油断していた。



まさか、自分が足を踏み外してしまうなんて思いもしなかった。


まるで、スローモーションのようだった。



傾いた体が、今登ったばかりなのに下にどんどんと落ちていく。



–––––ああ、もうどうでもいいや。



生きるということを、あの日から諦めていた。


死ぬということへの恐怖すら感じない。