朝陽は私が家の中に入るまで見守ってくれて、軽く手を振ってからドアを閉める。


お母さんの靴は…なかった。きっとコンビニにでも行っているんだろう。



重たい体を引きずって冷蔵庫から水を出して風邪薬を飲む。


本当は何か食べてからがいいんだろうけど、気持ち悪くてとてもじゃないけど無理だった。



「はあ…っ、はあ…」



壁に手をついてゆっくりと二階の自室に行き、制服から部屋着に着替える。


やっとベッドに寝転がれたと同時に机の上に置いていたスマホが鳴った。



「…もしもし?」


「あ、明日香?まだ起きてた?」



着信はさっきわかれたばかりの朝陽からだった。