「…は?あ、ちょ…」



二人分の鞄を持った朝陽に腕を引かれるまま学校を出る。



「ごめん朝陽…。今からでも学校戻って…」


「いいよ気にしなくて。明日香のこと放ってなんていられないよ」



大丈夫だから、と言わなきゃいけないのはわかっているけど…。


朝陽がそばにいてくれるだけで嬉しくて、この手を離すことなんてできなかった。





「ありがとう、送ってくれて…」


「中まで付き添わなくて平気?」


「うん、ここまでで大丈夫。本当にごめんねありがとう」



朝陽が優しく頭を撫でてくれて、それだけで頭痛が少し治った気がした。